がんゲノム医療とC-CAT
がんゲノム医療の体制とそれぞれの役割
がんゲノム医療中核拠点病院・がんゲノム医療拠点病院・
がんゲノム医療連携病院のそれぞれの役割
必要とするより多くの患者さんに、がんゲノム医療を適切に受けていただくためには、地域性を考慮しながら、がんゲノム医療を受けられる医療機関を特定の施設へ集約することが重要と考えられます。このような考えから、国はがんゲノム医療を受けられる医療機関の整備指針を定め、役割を次のように分けています。
がんゲノム医療中核拠点病院(中核病院)
診療、臨床研究、治験、新薬など研究開発を行うとともに、がんゲノム医療に関わる人材育成を担います。また、がん患者さんのがん遺伝子パネル検査を行います。
- 患者さんへの説明
- 検体の準備
- 配列決定
- 検査レポート作成
- エキスパートパネルの開催
- 患者さんへの検査結果の説明
- 検査結果に基づく治療
他施設と連携しながら、がんゲノム医療を適切に提供します。
全国で13施設が指定されています。(2024年9月1日現在)
がんゲノム医療拠点病院(拠点病院)
がんゲノム医療中核拠点病院と連携しながら、がん遺伝子パネル検査による医療を提供します。
独自にエキスパートパネルを実施し、患者さんに説明できる病院です。
全国で32施設が指定されています。(2024年9月1日現在)
がんゲノム医療連携病院
中核拠点病院や拠点病院と連携し、中核拠点病院や拠点病院が実施するエキスパートパネルに参加、患者さんに説明できる病院です。2024年度からは、指定を受けたがんゲノム医療連携病院でも独自にエキスパートパネルが実施可能となりました。
全国で223施設が指定されていて、そのうち15施設でエキスパートパネルの独自開催が可能となっています。(2024年9月1日現在)
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がんゲノム医療
中核拠点病院エキスパートパネルを自施設で開催できる。
人材育成、治験、先進医療の主導、研究開発などについて、中心的な役割を担う。 -
がんゲノム医療
拠点病院エキスパートパネルを自施設で開催できる。
人材育成、治験、先進医療などについては、中核拠点病院と連携する。 -
がんゲノム医療
連携病院中核拠点病院および拠点病院と連携してがんゲノム医療を行う。
指定を受けた一部施設では、エキスパートパネルを自施設開催できる。
エキスパートパネルとは、さまざまな専門家が集まり、
適切な薬剤の選択を推奨するために開かれる会議です
「がんゲノム医療中核拠点病院」、「がんゲノム医療拠点病院」、「指定された一部のがんゲノム医療連携病院」では、専門家が集まり、がん遺伝子パネル検査の解析結果を検討する委員会を開催します。がん遺伝子パネル検査では、一度にたくさんの遺伝子を調べますが、その結果は多くの研究結果をもとに、特定の薬剤がどの程度効果があるか協議され、検出された遺伝子異常に効果が期待できる薬剤があるかを検討します。
このようながん遺伝子パネル検査の結果を、医学的に解釈するための多職種による検討会を「エキスパートパネル」といいます。
エキスパートパネルの構成員は、
- さまざまな臓器のがん薬物療法を専門とする常勤の医師が複数名
- 遺伝医学を専門とする医師
- 遺伝カウンセリング技術を有する医療スタッフ
- 病理を専門とする常勤の医師複数名
- 分子遺伝学やがんゲノム医療の専門家
の参加が必須です。
効果が期待できる薬剤がある場合は、臨床試験などを含めてその薬剤の使用を検討します。効果が期待できる薬剤がない場合は、ほかの治療を検討します。エキスパートパネルの結果をもとに、担当医にエキスパートパネルが作成したレポートを返却し、担当医が結果を患者さんへ説明、治療方針を提案します。