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よく分かる
がんゲノム医療とC-CAT

がんゲノム医療とは

がんゲノム医療について

がん細胞のゲノムを調べて、遺伝子の変化をもとに患者さん一人ひとりの
がんの性質を知り、適切な治療法を選択していくのが、がんゲノム医療です

がん細胞のゲノムを調べて、どの遺伝子に変化が起こっているのかを知り、それぞれの患者さんのがんがどのような性質のがんなのか、どのような治療法が適しているのかを選択していくのが、がんゲノム医療です。例えば、日本人の肺がんではEGFRという変化が3割から5割の方のがんで見られます。このようながんを持つ患者さんは、EGFRタンパク質に対する阻害薬(分子標的薬)の効果が高いことが知られています。そのため、その時点では、他の抗がん剤よりもまず、EGFR阻害薬を用いた治療を行うことが、その患者さんには適していると言えます。

阻害薬(分子標的薬)
特定の遺伝子の変化を標的として作用するため、効率よくがん細胞を攻撃できる。
免疫チェックポイント阻害薬
免疫細胞の働きにブレーキがかかることを阻止し、免疫細胞を活性化させる。

数十から数百個の遺伝子の変化を一度に調べるがん遺伝子パネル検査の
実用化により、本格的ながんゲノム医療が始まりました

がんの薬物療法は、がん種(臓器)ごとに承認された化学療法剤(抗がん剤)を用いた治療が中心でしたが、2000年代に入るとEGFR阻害薬のように特定の遺伝子の異常を標的とした薬剤(分子標的薬)も使われるようになりました。さらに、2010年代に入ると特定の分子標的薬の効果を事前に調べる検査(コンパニオン診断と呼びます)が導入されるようになり、より効果的に分子標的薬が使えるようになりました。EGFR阻害薬の例でいうと、予めEGFR遺伝子などの異常を調べる検査(コンパニオン診断)を行って、EGFR阻害薬が効きそうかどうかの判断が行われるようになりました。
検査技術の進歩により、数十から数百個の遺伝子の異常を一度に調べる検査(がん遺伝子パネル検査)が開発され、日本では2019年6月から、がん遺伝子パネル検査が保険で利用できるようになり、がんゲノム医療の本格的な実用段階に入りました。特定の分子標的薬を使用するかどうかを判定するコンパニオン診断に対し、がん遺伝子パネル検査では、結果を総合的に判断して最適な治療法を探ります。

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